個人的にFXにおける何とか理論というのは好みではないですし、あまり意識もしていないのですが、プロスペクト理論だけは知っておくべきだと思い記事を書いています。
最初に記事タイトルの「プロスペクト理論を学べば勝てるようになるのか？」に対する私なりの答えですが・・・
残念ながらプロスペクト理論を学んでも勝てるようにはなりません。
なりませんが、学ぶと言いますかプロスペクト理論を知ることでトレードに多少なりとも変化が生じる可能性があります。
この変化が後々常勝トレーダーに繋がる可能性はあるのですが、知るだけではダメです。
では、プロスペクト理論とは何なのか？
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「個人が損失と利得をどのように評価するのかを、実験などで観察された経験的事実から出発して記述する理論」のことなのですが、ここで以下の質問に回答してみてください。
質問1
A：100万円が無条件で手に入る
B：コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない
質問2 あなたは200万円の負債を抱えています
A：無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円となる
B：コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債総額は変わらない
如何でしたでしょうか？
恐らく質問1ではAを、質問2ではBを選ばれた方が多いかと思うのですが、人間は目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向（損失回避性）があります。
「ちょっと何言ってるかわからない」っていう感じかもしれませんが、FXを例にするとわかりやすいかと思います。
例えば、今あなたが買いポジションを持っているとします。
エントリー後すぐに20pipsの含み益になりました。
利確したいと思いませんか？
ポジションを保持していれば50pips・100pipsの利益になるかもしれないけど、反対にマイナスになるかもしれないということで慌てて利確しちゃう人が多いかと思います。
一方、エントリー後すぐに20pipsの含み損になりました。
「これはダメだ！」ということですぐに損切りできますか？
できるのであれば何の問題もないのですが、上で書いた「損失そのものを回避しようとする傾向」というのがあなたの損切りを邪魔します。
で、ポジションを放置していたらどんどん含み損が膨らみ、たった1回のトレードで資金がゼロに・・・
なんてことは多くのトレーダーさんが経験されているでしょうし、勿論私も何回も経験しています。
利益は早く確定させたいけど、損失は確定させたくないというのは人間の本能です。
本能のままに行動すれば必ず損大利小になるということをプロスペクト理論が説いてくれているのですが、FXにおいて損大利小では話になりません。
例えば、勝率が5割の場合、
利益の平均が20pipsで、損失の平均が50pipsの場合、10回トレードすると利益が100pipsに対して損失は250pipsとなり大負けです。
勝率が7割でも利益は140pipsで、損失は150pipsで負けとなります。
勝率が7割もあれば十分勝てそうなのですが、損大利小ではダメだということをご理解頂けたかと思います。
損大利小がダメなら目指すべきは損小利大なのですが、損小利大を目指すためには何が必要でしょうか？
まずは損切りの徹底です。
これが一番の難題でしょうが、エントリーの根拠が崩れたら損切りするという行動を続けていかない限りこの難題を克服するのは困難です。
エントリー後に逆行したら即切るというのも一つの方法かもしれませんが、これでは損切り貧乏になってしまいます。
エントリーの根拠が崩れたらという条件が必要であり、この条件を付すためにはエントリー前にエントリーの根拠を考える必要があります。
「そんなの面倒だな～」と思われるかもしれませんが、エントリーの根拠すらなくエントリーするからどこで損切りして良いのかわからず、放置し続けて上で書いたように1回のトレードで資金を失うなんてことになっちゃうんです。
ということで、損小利大を目指したいのであれば損切りの徹底および、その前の行動であるエントリーの根拠を考え、事前に損切りポイントを決めておく必要があります。
次に必要なことは、勝てる可能性が高いところ、利幅が見込めるところのみでトレードすることです。
「勝てる可能性が高いとか、利幅が見込めるところがわからないから苦労してるんだ！」と言われそうですが、値幅のない揉み合い状態のところが主戦場であれば勝っても負けても小さく、スプレッドを考慮すればマイナスになることの方が多いでしょう。
是非「【FX】喧嘩に参加せず漁夫の利を得るという考え方」という記事を参考にしてください。
他には、ご自身の負けトレード記録を見ればどういうところが負けやすいのかがわかるかと思います。
こういうところを避ければ勝てる可能性が高いところが残ります。
トレード記録を作成されている方は少ないかもしれませんが、特に負けのトレード記録はあなたにとっての最高のお宝となる可能性を秘めています。
面倒でも是非トレード記録を作成してください。
最後に、プロスペクト理論を学んでもそれだけでは勝てるようになる訳ではないのでわざわざプロスペクト理論を学ぶ必要はないのですが、本能のままにトレードすると必ず損大利小になるということを理解し、損大利小にならない行動をしてください。
上で面倒なことばかり書きましたが、基本的なことをしっかりやらないといつまで経っても損大利小になっちゃいますよ！
