「喧嘩に参加せず漁夫の利を得るという考え方」という記事タイトルだとFXとは何の関係もなさそうですが、あくまでもたとえ話です。
何故たとえ話にするかと言えば理解しやすいだろうと思うからです。
では、具体例をあげて説明したいと思います。
上のチャートはドル円15分足ですが、黄枠で囲った大きな波の中に赤枠の小さな波があります。
この赤枠の上下の値幅は約35pipsです。
この赤枠のようなところで頻繁にトレードされている方が多いのではないでしょうか?
この赤枠内を喧嘩にたとえたのですが、この赤枠内というのは売り勢と買い勢が「売りだ~!」、「買いだ~!」と喧嘩しているところです。
このような喧嘩をしているところに事情を知らない人が紛れ込んだらどうなるでしょうか?
見ず知らずの人に殴られるかもしれません。
この殴られるというのは損切りのことなのですが、環境認識もせずに揉み合いの中でトレードすると売っても買っても伸びず、中途半端なところでエントリーすると細かな損切りトレードを連発するかもしれません。
このようなことがないように環境認識をし、何故ここで揉み合っているのかということを考えて頂きたいのですが、赤枠内で揉み合っている理由がわかりますでしょうか?
ちょっと考えてみてください。
如何でしたでしょうか?
いきなり明確な答えは出せないかもしれませんが、考えることに意味がありますので今後も色んな場面で考えて頂く記事を書いていきたいと思います。
では、私なりの解釈ですが、
黄枠内をご覧頂くと最初にオレンジ線で示したように大きく下落しました。
その後大きく反発(上昇)します。
大きく上昇したところで売りたい人の気持ちを考えて頂きたいのですが、オレンジ線で示したように大きく下落した訳ですので、売りたい人からするとオレンジ点線のような動きを期待して戻り売りを考えるでしょう。
大きく下落した後にしっかり反発しているのでオレンジ丸辺りから売るのは少々無謀かもしれませんが、売りと言っても新規の売り注文だけが売りとは限らず、買ってた人の決済も売りです。
黄枠の下限辺りから買えた人であれば大きく上昇したので決済してきてもおかしくはありません。
ということで、新規の売りと買ってた人の決済でオレンジ色丸の後に少し下げます。
次に買いたい人の気持ちを考えると、オレンジ線の下落の後に水色線で大きく上昇します。
その後、オレンジ丸から少々下げますが、買いたい人からすると水色丸辺りは絶好の押し目買いポイントとなります。
水色点線のような動きを期待して水色丸辺りから買い注文が入ってくるかと思うのですが、期待に反して伸びません。
伸びないとなると買ってた人の中には決済する人もいるでしょうし、ちょっとでも上に行けば戻り売りだということで売ってくる人もいるでしょう。
このような喧嘩状態となり、水色丸の直後は全く値幅のない揉み合い状態となります。
その後も大きく上下に動くことなく行ったり来たりするのですが、黄枠の上限を明確に上抜けることで一気に上昇します。
黄枠の上限からチャート右上の黄線まで約150pipsあるのですが、赤枠内で激しくトレードしていて疲れ切った人がこの約150pipsの上昇時にトレードできるでしょうか?
できるかもしれませんが、赤枠内の喧嘩に参加しなければ気力も体力も充実した状態でいられます。
漁夫の利とは「人と人が争っている間に、第三者が利益を得てしまうことのたとえ」なのですが、赤枠内の争いには参加せず、約150pipsの上昇のところだけを狙えば良いのではないですかというのが今回の記事の趣旨?主旨?です。
このようなことをどれだけ力説しても赤枠内のようなところが主戦場という人が少なくなるとは思えないのですが、赤枠内のようなところでトレードしたくなくなる考え方をお伝えしたいと思います。
それは・・・
赤枠内というのは次の大きな動きのためのエネルギーを溜めているところだと考えてみてください。
どういうことかと言いますと、赤枠内というのは値幅がないので売っても買っても利確も損切りもせずポジションがどんどん溜まっているかと思います。
ポジションがどんどん溜まり、赤枠や黄枠の上限を明確に抜けると何が起こりますか?
売りポジションを持っていた人は上に行けば行くほど含み損が膨らむ訳ですのでどんどん損切りしてくるでしょう。
売ってた人の損切りなので買いです。
この損切りでの買い+新規の買い注文がどんどん入ることで黄枠を抜けた後に一気に上昇するのですが、一気に上昇することになる原動力は赤枠内での揉み合いです。
つまり、赤枠内でトレードするということはエネルギーを溜めるためのお布施をしているようなものです。
で、美味しいところは赤枠内の揉み合いに参加していなかった第三者に持っていかれるということです。
こんな状態は悔しくないですか?
悔しいと思うのであれば揉み合いが始まればその上限と下限を赤枠のように囲い、何もしないということを徹底して頂ければと思います。
相場の格言で「頭と尻尾はくれてやれ」というのがありますが、今回例にした赤枠内やダブルトップ(ダブルボトム)のネックラインより上(下)というのは頭であり尻尾の部分です。
こういうところで無理せずとも胴体の部分の方が美味しいですよということを1日も早く理解して頂ければと思います。