FXの世界においてトレード手法というのは数え切れないくらい存在するのですが、私が知る限りでは世界一シンプルなトレード手法というのはピンバーを使ったものだと思います。
ピノキオの鼻のような形状をしていることからPinnocchio barと呼ばれているのですが、 ピンバーとはヒゲの部分が長く、実体部分が短くなっているローソク足のことを言います。
ピンバーを使ったトレード例ですが、
赤枠のローソク足は上ヒゲの部分が長く、実体部分がヒゲよりも短いです。
このようなローソク足が出た次の足でエントリーすれば最大で約50pips獲れました。
毎回このような動きになってくれたら良いのですが、ヒゲの部分が長いということはすでにかなり売られた後に売ることになりますので、オレンジ線で示したような動きになればかなり逆行することになります。
ですので、ピンバーが出た後に下げ始めてからエントリーする等の工夫が必要であり、シンプルな手法ではありますが簡単ではないと思います。
世界で2番目という記事タイトルにしてしまったので1番目を紹介したのですが、本題はここからです。
では、2番目にシンプルなトレード手法ですが、それは安値を切り上げたら買い、高値を切り下げた売るというものです。
具体的には、
2本の白縦線の中だけで説明すると、黄線で示したように安値を切り上げたので黄矢印辺りで買い、赤線でも安値を切り上げているので赤矢印辺りで買い、オレンジ線も同様です。(売りの場合は逆で、高値を切り下げたら売りです)
ピンバーと大差ないシンプルさだと思うのですが、もし黄矢印辺りで買えていれば見える範囲だけで最大約220pips獲得できていました。
シンプルかつ破壊力抜群と言いたいところですが、このような場面を無理矢理探しただけですので毎回こうなる訳ではありません。
毎回こうなる訳ではありませんが、これだけシンプルな手法でありながら破壊力も秘めているのが魅力かと思います。
ただし、どの手法にも言えることですが、環境認識をし、その手法が活きる場面で使うということが必要です。
今回の例ではスンナリ上昇してくれたのですが、チャートの左側を見ると下げてきています。
この下げに対する戻り売りということで、下落の起点であるピンク線や水色線辺りから下げた可能性も十分あります。
ですので、大きく下落した起点であるオレンジ線を上抜けた後、紫線で示した安値切り上げを確認してから紫矢印辺りで買った方がエントリー後の逆行のリスクは下がったかもしれません。
出来上がったチャートを見れば黄矢印で買うのが一番という判断が可能ですが、これは結果論です。
チャートの右側が見えない状態で黄矢印で買えるかどうかというと、今回使用した15分足のチャートだけでは不十分で、30分足以上のチャートを見てチャート内の最安値が上位足のサポートライン辺りなのかを確認しないと私は買えません。
手法そのものは至ってシンプルなのですが、シンプルだからこそ環境認識能力の差がトレード内容に直結するかと思います。
最後にこの手法を使うメリットですが、安値切り上げ、高値切り下げを待つことでカウンタートレードの防止策になります。
これがメリットと言えるかどうかは人それぞれかもしれませんが、例えば黄矢印ではなく、その左の白矢印で買った場合どうなるでしょうか?
結果を知っているのでここで買うのがベストと思いたくなりますが、2ヵ所の赤丸を見ると微妙に安値を切り下げています。
つまり、下落の流れが続いている中でカウンターで買ったということになるので、その後上昇したのは偶然ということになります。
偶然でも勝てればOKなのかもしれませんが、もし白矢印で買った直後に逆行したらどこで損切りするのでしょうか?
白矢印のところはチャートの見える範囲内で一番の安値となりますので、上位足を見ないとどこまで下落するのかという想定ができません。
エントリー前に上位足を見て事前に損切りポイントを決めているのであれば必ずしもカウンタートレードが問題とは言えないのかもしれませんが、もしそうでないのならエントリー後に逆行した場合に迷うことなく損切りできるでしょうか?
これは相当訓練しないと難しいでしょう。
こういう危険性を孕んでいるのでカウンタートレードはオススメしないのですが、黄矢印で買った場合に逆行しても安値を切り上げているという事実があるので損切りポイントは明確です。
逆行したら即切るか、上昇の起点となった右側の赤丸のちょっと下くらいで切ればOKです。
ということで、この手法に興味がない方でも安値を切り上げてから買い、高値を切り下げてから売るということ徹底すればカウンタートレードよりもエントリー後の逆行リスクは減らすことができますし、損切りポイントも明確になるのでオススメです!