今回の記事タイトルが私の言葉であれば聞き入れて頂けない可能性が十分あるのですが、
「勝ち負けにはもちろんこだわるんですが大切なのは過程です。結果だけならジャンケンでいい。」
というのは将棋の羽生善治先生のお言葉です。
将棋の世界では対局前に対局相手のことを色々と研究します。
振り飛車だとしたら三間飛車なのか、四間飛車なのか、中飛車なのか、向かい飛車なのか?
居飛車だとしたらどんな戦法を用いてくるのか等を過去の棋譜などを見ながら研究します。
研究したことを実際の対局で試す訳ですが、研究したこととは全く違う戦法を相手が用いるなんてことも当然あります。
だとしたら、研究したことは無駄になるのでしょうか?
今回の対局に限って言えば無駄だったかもしれませんが、次回同じ相手と対局する時に効果を発揮するかもしれませんし、他の対局者との時に応用できるかもしれません。
つまり、長い目で見れば研究したことは無駄にはなりません。
また、対局後には感想戦というものを行い、「この手はどうだったか?」とか、「ここでこういう変化をした場合はどうだったか?」なんてことを両対局者が色々と議論します。
この感想戦によって自分が指した手の良し悪しを判断したり、次回の対局に向けての課題などを見つけ出します。
ということで、羽生先生がおっしゃる過程というのは対局前の研究であったり、対局後の感想戦などのことをおっしゃっているかと思うのですが、事前の研究や感想戦で課題を見付け、その課題を克服することで更に強くなっていく訳ですから過程が大切だということかと思います。
将棋好きの私なのでついつい話が長くなってしまいましたが、羽生先生のお言葉をFXに当て嵌めてみるとどうでしょうか?
FXにおいても当然勝ち負けは重要ですし、勝ち負けに拘るべきかと思うのですが、例えば、何も考えずに適当にエントリーして100pips獲れたのと、事前に環境認識をしてトレードプランを考え、エントリーポイントまでしっかり引き付けてエントリーしたけど15pipsの損切りになりました。
結果だけを見れば前者が勝ちで後者は負けですが、前者に過程がありましたか?
適当にエントリーした訳なので環境認識なんてしていないでしょうし、当然トレードプランも考えていないでしょう。
たった1回のトレードであれば勝つことも当然あるのですが、長い目で見れば後者の方が安定的に勝てるようになる可能性は圧倒的に高いでしょう。
前者がその後も何もしなければの話ですが。
更に後者は、トレード後にトレード記録を作成し、何故負けたのかということを考え、同じようなところで負けない訓練をします。
その後に負けトレードを勝ちトレードに変えることはできないかということを考え、遂に今まで負けていたトレードを勝ちトレードに変えることができました!
めでたしめでたしw
このように考えるとFXにおいても過程というものが大切だということがわかるかと思うのですが、上か下かの世界なので特に学びもせずギャンブル的に適当に売ったり買ったりし、特には勝つこともあるけど、1ヶ月トータルで一度もプラス収支になったことがないというトレーダーさんはたくさんいらっしゃるでしょう。
FXはギャンブルだとお考えの方も多いかもしれませんが、ギャンブルとは全く違います。
例えば競馬であれば最大で18頭(中央競馬の場合)が一度のレースに出走するのですが、18頭が出走するレースで3連単(1着~3着までの順番)を当てることはFXの100億倍くらい難しいですw
って、FXと競馬を同じギャンブルのようにお考えなのに、競馬をされる時にはしっかり予想されるのに、何故FXでは適当にエントリーされるのか理解に苦しみます。
FXも競馬と同じ熱量で取り組んでみてください!
本題からかなり逸れてしまったのでこれくらいにしておきますが、どの世界でも過程というのは地味な作業であることが多いかと思いますし、その過程を第三者が見る機会も少ないかと思います。
誰に見られる訳でもない地味な作業をコツコツとこなすというのは決して楽しいことではないでしょうが、楽しくないことを他の人以上にやることで華やかな世界が待っているかもしれませんw
待っていると断言したいのですが、どれだけ頑張っても成功できない方もいらっしゃるので・・・
今回のような記事をどれだけ書いても楽して勝ちたいと考える人が減ることはないでしょうが、せめてお一人でも良いので心にグサっと刺さることを願っております。
実際のチャートを使って色々と説明した方がウケは良いのかもしれませんが、根本の部分を理解して頂けないとチャートを使って説明したことも表面的にしかご理解頂けない可能性があります。
今回書いたことが根本の部分ですので、過程を重視すべく行動して頂ければと思います。
根本の部分を理解しても動かなければ何も変わりませんよ!