先日、【FX】チャートパターンの甘い罠♪という記事を書いたのですが、気になることがありましたので再びチャートパターンの記事を書いてみたいと思います。
その気になることとは・・・
Twitterで「ドル円ロング」というのがトレンドワードになっていました。
ドル円を買って大儲けした人がたくさんいるのかな~と思い見てみたのですが、最初に目に飛び込んできたのはチャートパターンに関する問題でした。
「ドル円ロングなんて全然関係ないやんっ!」と軽くツッコミつつ問題を見ましたw
その時の画像を無断で使用する訳にはいかないので、簡単に書いてみました。
現在値は赤丸ですが、この後上下どちらに動く可能性が高いのか?
という問題でした。
折角ですので、是非お考えください。
如何でしたでしょうか?
と問うまでもなく、多くの方が「上」と答えられたかと思いますし、Twitterのリプでもほとんどの方が「上」でした。
出題者の方はトリプルボトムのネックラインを上抜けたから上に行く可能性が高いと書かれているのですが、もし私がこの問題を出題されたら、
わかりません、もしくはこの情報だけでは判断できませんと答えます。
確かに問題の画像だけを見れば上に行く可能性が高いと答えたくなるのですが、リアルトレードで上の画像と同じところしか見えない状態でエントリーできますか?
そんな恐ろしいことは私にはできません。
また、チャートの左側次第で考え方が大きく変わるかと思います。
どういうことかと言いますと、
チャートの左側が赤線で示したように激しく上昇してきた後であれば上に行く可能性が高いと答えるでしょうが、水色線で示したように激しく下げてきた後であれば必ずしも上とは言えないと思います。
更には、今回はトリプルボトムのネックラインを上抜けていますが、問題の画像の始点である緑丸がピンク枠で示した激しく揉んだレンジゾーンの下限だったらどうでしょうか?
トリプルボトムのネックラインを上抜けたという事実を重視する人もいるでしょうが、激しく揉んだレンジゾーンの下限に到達したのでここから売ろうと考える人もいるでしょう。
となると、上には行かず下げるかもしれませんし、オレンジ線とピンク枠の下限の間を行ったり来たりという可能性もあります。
「チャートの左側のことなど考えず見える範囲だけで答えたらいいやんっ!」と言われそうですが、リアルトレードとは全く違う状況で考える意味がどれだけあるでしょうか?
せめて、トリプルボトムの部分と同じ本数程度のローソク足が左側にあれば色んなことを考えられるかと思うのですが、今回の問題だとトリプルボトムのネックラインを上抜けたから「上」ということくらいしか考えられません。
「上」ではなく「上」に行く可能性が高いというだけのことであって、「下」に行くことも当然考えていますというのであれば良いのですが、チャートパターンだけを覚えて抜けたら「買い」(売り)というような感じで覚えてしまうと最初から買い(売り)ありきで考えてしまい、逆行した場合に損切りが遅れたりナンピンなんてことをしてしまうのではということを危惧しています。
今回の問題と似たようなパターンを【FX】チャートパターンの甘い罠♪の記事で紹介しておりますので是非お読み頂ければと思います。
私はチャートパターンというものを否定する気はないのですが、何故問題となるチャートパターンのところだけを抜き出して説明されるのかが不思議でなりません。
紙面の都合なのかもしれませんが、チャートパターンだけを説明しても考えられることは僅かですし、視野も極端に狭いです。
このような状態でリアルトレードに参入しても戸惑うことの方が多いのではないかと思います。
チャートパターンというのはトレードするためのちょっとした手段に過ぎず、これだけで完結する訳ではありません。
ですので、色んなチャートパターンを覚える時間があるのなら、チャートパターンよりもチャートの左側との兼ね合いや重要なラインとの位置関係等を総合的に考える訓練をされた方が勝ちトレードに直結するかと思います。