FXの世界には数え切れないくらいのトレード手法というものが存在します。
移動平均線やボリンジャーバンドを使ったものや、RSIのダイバージェンスを利用するもの等々。
中には勝率が80％を超えるような手法も存在するのですが、勝率が80％もあれば負けようがないとは思うものの、それでも勝てないという方がいらっしゃると言うか、意外と多いように思われます。
何故こんなことになるのでしょうか？
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この理由を説明する前に最初にお断りしておきます。
手法だけで勝てている方には今回の記事は関係ありません。
色んな手法を試すものの、なかなか結果に繋がらないという方のための記事であることをお断りしておきます。
それだったら記事タイトルの「手法だけでは勝てない」という文言に無理があるのでは？と思われるのは正常な判断かと思うのですが、上で「手法だけで勝てている方」とは書きましたが、実際には手法だけで勝たれている訳ではないかと思います。
この辺りも含めて説明したいと思います。
では、手法だけでは勝てない理由というのは何なのでしょうか？
いくつか原因が考えられるのですが、大きな原因は2つかと思います。
1つ目は、
環境認識ができておらず、その手法が活きる場面かどうかの判断ができていない
ということかと思います。
上で「実際には手法だけで勝たれている訳ではないかと思います」と書いたのがこのことであり、手法だけで勝っていると思われているかもしれませんが、実際には環境認識もできて、その手法が活きるかどうかの判断ができているからこそ勝てているのではないかと思います。
こういうことができないと手法の表面の部分しか理解できず、環境認識ができてその手法が活きる場面であれば勝率が80％を超えるのかもしれませんが、流れに逆らうようなトレードをすることによってどんどん勝率が下がるのだと思います。
ということで、手法も大事かもしれませんが、環境認識能力を鍛えることで手法の威力を最大限に発揮するということが重要かと思います。
「え～、でも環境認識とか面倒じゃん」なんてことを考える方も多いでしょうが、FXは楽しては勝てませんし、勝てる手法を知って楽して勝ちたいと考えるのであれば自分で手法を作った方が結局は近道かと思います。
手法の作り方についてはこちらの記事をご覧ください！
続いて2つ目の原因ですが、こちらが最大の原因かと思われます。
それは何かというと・・・
手法のルールを守れていないからです！
このことに関しては思い当たる方も多いかと思うのですが、何事もルールを守ることで物事が上手く運びます。
例えば、車やバイクの運転手が交通ルールを完璧に守れば交通事故は極端に減るでしょう。
ですが、スピードを出し過ぎたり、確認を怠る等で日々色んなところで交通事故が発生しています。
また、野球でルールがなければ無茶苦茶になるでしょうし、見ていても面白くないでしょう。
このようにルールというものはとても大切であり、このことはFXの手法でも同じです。
同じなのですが、その手法のルールを完璧に守っていますか？
この質問に自信をもって「はい」と答えられるのに勝てないのであれば、手法そのものに問題があるか、エントリーや決済のタイミングの問題かと思われます。
逆に「いいえ」と答えられる方が勝てないのは自業自得としか言いようがありません。
では、ここでどのようにルールを守れていないのか具体例をあげて説明してみます。
・そのルールでは15分足限定と決められているのに1分足でエントリーしてしまう。
15分足だとエントリーチャンスが少ないので1分足を使ってしまうというお気持ちはよ～くわかりますし、過去の私も同じことをやっていました。
ですが、15分足を利用することで勝率が高いとか、獲れる値幅の期待値が高いということかと思いますので、やはりしっかり守るべきでしょう。
どうしても1分足に拘りたいのであれば1分足限定の手法を探しても良いのかもしれませんが、自分で作った方が早いと思いますよ。
・複数のエントリーに関するルールがあるのに、それを省いたり拡大解釈してしまう。
15分足限定なのに1分足を使うというのも拡大解釈かと思うのですが、複数のエントリーに関するルールがあるのに、その中の一つでも省いてしまえば良いパフォーマンスを発揮できなくて当然かと思います。
ルールを省くに関して具体例をあげておきます。
上はドル円15分足のチャートですが、表示させているインジケーターはボリンジャーバンドの±3σです。
ボリンジャーバンドの±3σタッチで逆張りというのは有名な手法かと思うのですが、この手法に「ボリンジャーバンドの角度が平行に近いこと」というルールがあったとします。
このルールを省くと何が起こるかと言いますと、赤丸辺りで連続で-3σにタッチしているのですが、上に行くどころか下落の勢いが増しています。
この時のボリンジャーバンドの角度を見ると下に向いています。
「ボリンジャーバンドの角度が平行に近いこと」というルールがあるのにこれを省くと言いますか無視することで悲惨なことになる訳ですが、画面の右の方のボリンジャーバンドの角度は平行に近いです。
つまり、レンジ相場なのですが、こういう時は4ヵ所ある黄丸のどこで売り買いしても決済のタイミングさえ間違わなければすべてプラス収支でした。
物凄くシンプルな手法でもルールを守れないことで勝つどころか大きく負ける可能性があるということをご理解頂けたかと思うのですが、複数のルールがある手法であれば更に負ける可能性が高くなるかもしれません。
それくらいルールというものが大切なのですが、自分で考えた手法ではないので、その手法のルールが意味することが理解できないということがルールを省いたり無視してしまう大きな要因かと思います。
だからこそ、誰かが作った手法ではなく、自分で一から考えた手法の方が即戦力となりやすい訳ですが、手法というものは誰かに教えてもらったり、ネットで調べるのが普通だと思われている方が多いのだと思います。
この辺りもFX界の常識みたいなものなのかもしれませんが、常識通りに行動してどれだけの方が勝てるようになったのでしょうか？
そんなデータは私にはないのでわかりませんが、今現在勝てている方に共通するのは、自分で考えた時間が長いということかと思います。
色んなブログを拝見しても勝てている方はオリジナルの手法をお持ちであることが多く、つまりこれは自分でしっかり考えられたのでしょう。
自分でしっかり考えて作られた手法だからこそ即戦力となりえる訳ですが、それを第三者が簡単に使いこなすというのは難しいかと思います。
「オリジナル手法を無料で公開中！」というような文言に惹かれる気持ちは理解できるのですが、その手法を使いこなすのは大変ですよということをご理解ください。
それと、何度も書いていることですが、私は手法というものを意識してトレードしていませんし、手法なんてそれほど重要だとも思っていません。
「だったらこんな記事を書くな！」と言われそうですが、だって手法のニーズが高いのでw
というのは半分本気で半分冗談ですが、私の場合は過去の経験で○○の時はこういう動きになることが多いということを頭ではなく体で覚えているので手法というものを意識しなくてもトレードできる訳であり、知っている色んな手法が頭の中を駆け巡ればその方がトレードしにくいです。
重要なのは手法そのものではなく、その手法が活きる場面を見つけ出す能力なのですが、こんなことをどれだけ熱く語っても理解されにくいでしょうね。
これは当ブログにお越し頂く方がまだまだ少ないからという悲しい性ではあるのですが、「手法よりも環境認識の方が大切ってことに気付きました！」という方が増えることを望むばかりです。
手法だけで勝てるんだったら誰も苦労しませんからね。
